知財キャリアインタビュー①:下見さんの知財キャリアと未来展望
知財に入ったきっかけや経緯
Q:今回はインタビューを快くお受けいただきありがとうございます。本日は下見さんのキャリアなどについてお話を伺わせて頂けばと思います。早速ですが、まず、下見さんの会社、株式会社レゾナックについてご紹介いただけますでしょうか。
A:本日はありがとうございます。私の働いている、株式会社レゾナックは、昭和電工株式会社と昭和電工マテリアルズ株式会社(旧日立化成株式会社)が統合してできた会社です。パーパスは「化学の力で社会を変える」を掲げており、あらゆる産業の起点にある化学メーカーが、業界に閉じた個社の事業活動にとどまるのではなく、さまざまなステークホルダーと共創することで、様々な課題を解決できると考えております。是非弊社ホームページにアクセスしてみて下さいね。
Q: ありがとうございます。共創、とてもいい言葉ですね。そんなレゾナックで働く下見さんは、入社から現在まで知的財産部に所属されていると伺っております。早速ですが、大学で何を専攻されていましたか?また、入社前から知財についての知識があったんですか?
A: 私は理工学部で水中の有機化合物の定性・定量を学んでいました。特許についてはほとんど知識はなく、「知的財産」という言葉も聞いたことがありませんでしたね。
Q: 知財について知らなくても入社できるものなのですか?というか、どうして知財に入ったんですか?
A: 私の場合、現在所属する企業の知財部の方が大学にリクルート訪問された際に、初めてお話を伺いました。知的財産についてのイメージはなく、「まじめな部署」なのかな?と思う程度でした。しかし、その紹介に来た当時の知的財産部部長が予想外に風変わりな雰囲気をまとっていて、知的財産のイメージががらりと変わりました。
Q: そこで知的財産部に入りたい!と思ったのですか?
A: 入りたい!というより、「この人と仕事がしてみたい!」と思いました。私は物事の原因を考えるのが好きで、知的財産が何なのか、この人は何を考えているのかが知りたくなりました。
Q: 人に惹かれて入社は、ちょっと憧れますね。そこで会社への入社を決めたのですか?
A: その後も他の知財部の方とお会いする機会があり、それぞれ個性的で、面白そうだと思い、気持ちが固まりました。入社してからその個性の波にのまれそうになりながらも、何とかここまで来た、という気持ちです。
知財部での経験
Q: 知財部ではどんな経験をされてきたのですか?
A: 具体的には、
- 発明発掘
- 権利化実務(クレーム、明細書作成、拒絶応答、権利化)
- 権利活用(交渉など)
- ニュースリリース
- 新規テーマ立上げ
- 新部署立上げ
- 新規事業創生
- 米国駐在
- 知財紹介コンテンツ(社内向け)企画、運営
- アイデア創生ワークショップ企画/運営
など、さまざまなことを経験してきました。
Q: 知的財産部って、あの難しい文章を書いている部署ではないんですね。こんなにいろいろやれるものなんですね?
A: 私の会社が比較的個人に裁量を持たせてくれる会社であること、また私自身のキャラクターとして社外・社内向け広報の担当を任されたことが大きいと思います。
Q: 入社前には知的財産についてほぼ知らなかったとおっしゃっていましたが、これらの業務を進めるにあたって、法律や技術の知識はどうやって身につけられましたか?
A: 一つは「青本」の読み合わせです。入社してから上司や先輩と読み進めていきました。もう一つは担当製品・材料関連の特許読み込みです。最初に担当した製品に関連する数千件の特許を読み込み、まとめました。
Q: 知財業界で働くにはどんな知識が必要なのでしょうか?
A: 問題を解決するために必要な情報を吸収することが大切です。問題を解決するには何が必要かを常に考えることで、必要な知識が見えてきます。
知財の未来
Q: 知財で未来は動かせると思いますか?また、どう変わっていくと思いますか?
A: 動かせると思っています。知財は「技術情報」「権利」「資産」の三つの側面を持っています。これらの側面を事業に有効にはめていくことで、未来が変えられると考えています。具体的な変化については、また別の機会にお話しできればと思います。
この記事を通じて、下見さんの知財への情熱と、知財部での多岐にわたる経験が浮き彫りになりました。知財の未来に向けた下見さんの展望も興味深いものです。