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弁理士への転職 ~成功の秘訣~

パテキャリ編集部 編集長
弁理士への転職 ~成功の秘訣~

1. 弁理士について

1-1 弁理士の仕事内容(実態)

弁理士の仕事は多岐にわたりますが、主に、特許庁への知的財産権に関する申請や管理、知的財産権に関する紛争解決、近年では知財コンサルなど、法的な知識と技術的な知識を組み合わせた複雑な業務を行うことです。

 特許庁への知的財産権に関する申請には、例えば、「特許」、「実用新案」、「意匠」、「商標」などの各法域に応じた専門的な知識を持つ弁理士が書類を作成し、特許庁へ提出があります。

知的財産権に関する紛争が発生した場合には、弁理士が紛争解決の主体となり、交渉や裁判による決着を図ることも重要な業務の一つとなっています。

弁理士は「知財コンサル」として企業に対し、開発した技術の保護方法や利益獲得の戦略を提案し、企業の競争力を支える知的財産をいかに有効に活用するか、その計画を練ることもあります。

このように、弁理士は単に法律に基づく申請手続きを代行するだけでなく、知的財産を通じて企業の競争力を保ち、推進するための重要なパートナーとして活躍しています。

1-2 弁理士の将来性

知的財産の重要性が高まる中、弁理士の需要は今後も増加すると見込まれます。特に国際的な取引が多い業界では、その専門性が高く評価されています。

近年、日本における特許出願件数は減少傾向にありますが、ここ数年は約29万件と大きな変動がなく、全固体電池、AI、バイオテクノロジー、ICTなどの技術革新が進む分野では、特許出願件数は増加しています。【特許庁統計資料】

このことからも今後も需要は大きく減少することはないと予想されます。

1-3 給与

弁理士の給与は、経験や勤務先の業種、地域等によって大きく異なりますが、一般的には高水準を保っており、新人の平均年収は約400~500万円からスタートし、経験を積むことで1000万円を超えることも珍しくありません。

2. 難易度

2-1 年代別による転職難易度

知財・特許業界は、他業種からのキャリアチェンジの方が多く存在しているため、他業種と比較してやや高い年齢まで採用の道が開かれている傾向にあり、経験者であれば40歳以上でも転職することも可能ですが、未経験者の場合でも、一般的には35歳くらいまであれば影響は受けにくいようです。

  • 20代: 実務経験が少ないですが、難関資格である弁理士試験に合格していることからやや有利に働くことがあります。
  • 30代から40代: ある程度の専門技術や経験があれば、転職には有利に働きますが、競争は激しくなります。また実務未経験者になると、更に厳しくなる傾向に。35歳までが一つの目安に
  • 50代~: 豊富な経験があれば市場価値は高いですが、新しい分野への挑戦は難易度が高くなります。また、実務経験以外にもスキルを求められることもあります。

2-2 未経験者の難易度

実務未経験の弁理士の場合、35歳くらいまでが求人数は多い傾向にあるので、早めに弁理士試験を突破し、転職するほうが可能性は高くなります。  若ければ若いほど弁理士としての転職は有利になるため、早い段階で弁理士試験に合格し、35歳くらいを目途に転職し、実務経験を積むことをお勧めします。

2-3 文系出身者の難易度

弁理士の出身の多くは理系の方が多いですが、文系出身者でも法律関連の知識や、発明に対する理解力があれば弁理士としてのキャリアを築くことも可能です。  特許事務所であれば、理系・文系問わず弁理士を募集している特許事務所もありますが、未経験者の文系出身の弁理士の場合、意匠・商標弁理士としてのキャリアをスタートする方が多いよう。  一方、企業の場合、理系出身・文系出身による違いはあまりなく、企業の規定によることが多いようです。  また、文系出身の弁理士中には、理系の知識を学ぶため大学に通い、理系の知識習得を目指す方もいるようです。

 このように、文系出身者の難易度は、理系出身者に比べ、特許弁理士としてキャリアをスタートするにはやや難易度が高いかもしれませんが、特段難易度が高いものではないといえます。

3. 弁理士の働き方

3-1 特許事務所

  • 働き方: 多くの案件を一手に担当し、クライアントと直接やり取りすることが多いです。
  • 年収: 一般的には400万円から始まることが多い。
  • メリット・デメリット: 専門性を高めやすいが、案件による業務の波がある。事務所の規模によっては、担当する業務の範囲や専門分野が異なる。

3-2 企業知財部

  • 働き方: 主に企業の知的財産の管理と戦略立案を担当します。
  • 年収: 平均的に400万円から1000万円。
  • メリット・デメリット: 比較的安定した職場環境ですが、企業の業績に依存します。特許事務所と違い、収入の増減は少ない。

3-3 独立(開業)

  • 働き方: 自身の事務所を設立し、自由なスタイルで業務を行う。
  • 年収: 業績によるが、成功すれば高収入が見込めまる一方、業績によって年収が大きく変動するリスクがある。
  • メリット・デメリット: 比較的自由度の高い働き方が魅力ですが、顧客獲得や、人手不足当が課題となる。

4. 弁理士へ転職して成功するための秘訣

弁理士としての転職を成功させるためには、専門性を高め、豊富な実務経験を積むことが必須です。

クライアントのニーズを理解し、信頼を築くためにも、コミュニケーション能力を高めることも非常に重要です。クライアントからの信頼を得ることができれば、継続的な案件の獲得や紹介につながります。  さらに。国際的な案件を扱うことが増えている現代においては、外国語の能力も弁理士にとって大きなアドバンテージとなります。また、変化の目まぐるしい新しい技術や法律の変化に迅速に対応するためには柔軟性も必要になります。  また、他の業種に比べ、平均年齢が高い業界であるので、若いうちからキャリ亜形成することにより若い時期から経験を積み、専門性を高め、クライアントからの信頼を勝ち取ることで、キャリアの早い段階で重要な案件を担当する機会を増やすことができます。

5. 弁理士への転職の失敗とは?

弁理士への転職が失敗する原因としては、例えば、仕事内容に対する期待と実際のギャップ、責任の重さ、仕事量の多さ、対人関係、そして特許事務所や企業での働き方の違いに関する情報不足にあります。これらの情報を整理して、ギャップを埋めることで、弁理士への転職が失敗となることを防ぐことができます。

5-1仕事内容のギャップ

知的財産の保護や最先端の技術に触れる社会貢献性や権利の保護という職務に魅力を感じている弁理士は多いと思いますが、実際の業務は、地味な作業も多く、理解に苦しむような難しい案件や、時には複雑な紛争解決、顧客との難しい交渉が含まれることもあります。この現実に直面したとき、期待とのギャップに失望し、弁理士への転職を後悔することがあります。

5-2責任の重さ

弁理士の仕事は、クライアントの知的財産権を取得することに重きをおいています。また、期限管理等の管理能力も重要なため、場合にとより精神的なプレッシャーに追い込まれることもあるかもしれません。代理人として、それらに伴う責任を必要以上にプレッシャーに感じてしまう恐れもあります。

5-3仕事量の多さ

特許事務所や企業によって異なりますが、弁理士はしばしば多くの案件を同時に扱う必要があります。特に特許事務所での業務は、案件の大小にかかわらず、細部に至るまで注意深く対応することを求められ、仕事量が非常に多くなることがあります。

5-4 対人関係

弁理士とクライアントとの間でのコミュニケーション不足は、時には誤解や不信感を生じさせ、クライアントの期待に応えることができずに、結果として関係性が悪化する可能性があります。また、職場内においては、対人関係のトラブルが、業務の遅延やミスの増加、職場の士気の低下を引き起こすことがあります。特に意見の衝突や、競争によるストレスが原因で問題となることもあります。

5-5働き方の違い

特許事務所では、近年では在宅ワーク等働き方による自由度が高く、責任や専門性、処理能力等を求められますが、一方企業内の知財部では、会社員としての規律、組織内の他の部署と協力しながら業務を進める協調性、社内外における調整能力等が求められます。これらの働き方の違いを理解せずに転職すると、職場環境に適応するのが困難になることがあります。

これらの理解を深め、情報を整理することで、弁理士としての転職を成功させるための現実とのギャップの差を埋め、理想とする転職をすることが重要です。また、事前にどのような業務、働き方及び職場を選ぶのか情報を十分に集めて検討し、弁理士としての適切な職場を選ぶことが成功の鍵となります。

6. まとめ

弁理士への転職は、その専門性と責任の重さから、簡単な道のりではありませんが、その需要は、依然として高いものがあります。また、業務の多忙さや職場での対人関係、特許事務所と企業内知財部との働き方の違いなど、多くの挑戦も伴います。弁理士への転職を成功させるするためも、これらの現実をしっかりと把握し、適切なスキルとマインドセットを身につけることが重要です。適切な準備と戦略でキャリアアップを目指しましょう。この記事が皆さんの弁理士への転職の一助となれば幸いです。

パテキャリ編集部 編集長 パテキャリ編集部は、弁理士など知財実務関係者のみで構成されているチームです。
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